「赤坂式半月彫刻法」誕生秘話

長い時間をかけて磨き上げてきた熟練の彫刻技術と、現在のIoTや最新の加工機とを融合させた金属加工を行っている『赤坂金型彫刻所』。今回は、そんな赤坂金型彫刻所の独自の「赤坂式半月彫刻法」についてお伺いしました!

赤坂さん(代表)ー 私は、この赤坂金型彫刻所で三代目を務めています。赤坂金型彫刻所は、初代の赤坂兵之助が設立した会社なんです。元々は仏具や欄間、記念コインなどの彫刻を生業としていました。

こちらが当時のものです。写真にある刃物と金槌で手作業で製作していたんです。ものすごい技術ですよ。使い込んだ金槌は祖父の手の形になるまですり減り、祖父専用になっていました。

そんな祖父ですが、あるとき、仕事中に不慮の事故で左手を失ってしまいました。

職人にとってとても大切な左手。彫刻の元になる刻印が掴めなくなりました。
普通ならここで仕事を諦めるはずです。しかし祖父はそこで諦めませんでした。

彫刻を続けるため作成したのが、こちらの義肢。祖父自らが作成しました。しかし、義肢での彫刻作業は簡単なものではありませんでした。スムーズに作業できず、左手の負担が大きい。

彫刻を続けるため試行錯誤して、力を入れずに切削する手法や、今の半月一枚刃につながる
鏨(たがね)の切っ先の調整方法を編み出しました。

こうして編み出された技術を『赤坂式半月彫刻法』と言います。

事故で左手を失ったことで彫刻する方法を考える中、新たな技術を生み出し、今の赤坂の
「半月のミル」が誕生しました。

これはもう、祖父の仕事への執念としか言いようがありません。

その技術は2代目の父が引き継ぎ、3代目の僕が受け継ぎました。これからも、赤坂金型彫刻は、唯一無二の技術をお客様に提供していきたいと思っています。

ーありがとうございました!

編集後記

赤坂さんのおじいさんの仕事に対する執念、それを受け継ぎ、技術が落ちないように努力する姿に、技術の重みを感じました。さらに今の技術にこだわり過ぎず、新しいテクノロジーと融合させており、これからの進化が楽しみだなと思いました!