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2020年2月4日

創業5年、東大阪の銅合金鋳造工場

『こうばあるき』ではmonootoリサーチ隊がお邪魔したすごい・面白い工場についてご紹介しています。

今回は東大阪の高井田にある鋳造屋さんにお邪魔してまいりました。昨年からいろいろな工場を見せていただいていますが、鋳造工場へお邪魔するのは実は初めて…。訪問日はちょうど型に流し込む瞬間を見られるタイミングとお聞きし、ちょっとわくわくしながら工場の扉を開けました。地図を見るのが苦手で感覚で動き回りがちな筆者。得意技の「訪問先を元気に通過する」を今回もやらかしましたが、「おーい!ここやで!」と呼び止めていただき、無事取材スタート。(ありがとうございます。)

■この工場ではこんなことをしています■

先述の通り今回お邪魔したのは「銅合金」専門の鋳造屋さん!普段お邪魔している工場はマシンがずらっと並び加工音が聞こえてきますが、今回お邪魔した工場はちょっと雰囲気が違う…。

ほぼ等間隔で綺麗に並んだ砂型。工場内はどちらかというと静かです。銅の特徴といえば、電気・熱伝導に優れ、耐食性が良いこと。銅合金の鋳造に特化したこちらの工場では、こちらの砂型で船のバルブ、機械部品、電気部品などの製造をされています。

奥には溶解炉。職人さんが温度を確認されている最中でした。温度は1200℃超え…。約2時間半かけてここまで温度を上げていきます。工場内に緊張感が漂っていたのは、まさにこれから型へ流し込みをする段階だったからでした。貴重な瞬間を見せていただきありがとうございます!

「始めるのでちょっと下がっていてくださいね」の一言からはあっという間。3人の職人さんの連携プレイにより、20分もかからないくらいの時間の中で次々と砂型の中に金属が流れ込んでいきました。

火曜、木曜、土曜が湯流しの日。湯流しの時間も決まっています。それ以外の日で型を作るというようにルーティーンが組まれているそうなんです。知らない人間からすると「鋳造」と聞いてイメージするのはドロドロの金属が流れ込むあの瞬間ですが、時間で考えるとその瞬間は一瞬で、半分以上は型の設計を考えたり、作ったり…という工程なんですね。

■この工場のここがすごい!■

その砂型作りがすごいんです。砂型についてお話を聞いている中で、「方案を考える」という聞きなれない表現が登場。ものづくりの現場での型作りは、お菓子作りの型のように作りたい形の型を作ったらOKという単純な話ではありません。どういう設計にしたら湯が綺麗に流れるか、製品の表面が綺麗に仕上がるか、あらゆる要素を踏まえて考えます。これを鋳造方案を考える、とか、方案の設計と言うらしい…。コンピューターが無いので経験から培った感覚で適切な方案を考えます。手作業とは驚きました…すごいですね。「今でも砂の粒子の研究をしまくっている」と話す職人さん。努力と経験に裏付けられる職人技を頼って相談に来られる方が多いそうです。量産をしたいが金型を作る費用をかけられない…という背景からのご相談もあることから、この手作業で1時間にいかに多く型を作れるかもとても重要です。一連の流れを横で見せていただきましたが、砂を型にどばっと入れるところから砂型になるまでがあっという間で驚きました。

■この工場にはこんな職人さんがいます■

歴史ある工場が密集している東大阪ですが、こちらの工場は現在創業5年。現在の社員の皆さんが以前勤められていた会社の社長が急逝され廃業となった後に、当時社員であった現代表自ら鋳物工場を立ち上げ技術を引き継ぎました。高額な炉の設置のために多くの寄付や協力が集まったというお話からも、周囲からの信頼や期待の大きさを感じます。技術を伝えるために工場見学の受け入れをされたり、出張でお子様向けのワークショップをしたりという活動もされているそう!創業年数ではお若い会社ですが、東大阪のものづくりを引っ張ってくださるパワーを感じました。

お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました!!