ー今までの技術では色を変えることは難しかったのでしょうか?
「いいえ。無かったのは技術ではなく”発想”です。”フェンスとはこういうもの”と思っていたので、考えることもありませんでした。金網フェンスって、二本の線を送り出して編みながら作っていくんです。だから単純にその二本を別の色に変えればツートーンの縞はわりと簡単にできます。この手で作っている網屋にしかできない発想です。ただし、太いボーダーや、3色以上のボーダーにしようと思うと機械を止めながらになるため手間はかかりますが…」
ーそれでも敢えて挑戦しようと思った理由は…?
「従来の金網フェンスの需要が減っているので、何か新たな在り方を模索する必要がありました。金網フェンスは丈夫であることが評価される一方で、デザインが古い、パーツが多いため施工も難しいという弱みもあります。そして今では溶接のメッシュフェンスが主流。その中で生き残るために、金網フェンスにしかできないことは何か考えたことが始まりです。製造過程でデザインが加わっていく、ひし形金網のこの工法だからできることで他のフェンスには真似できないはずです。」
ー新たな販路開拓の中での『デザイン』への挑戦なんですね!
「はい。まさに新たな販路です。金網フェンスは工業製品の色が強く今までは施工会社への提案がメインでした。しかし、色をカスタマイズできて景観を彩ることが特徴であるニットフェンスは、デザイナーさんに評価され設計図面に組み込んでもらわないことには出番がありません。まだまだこれからですよ!!」
ーニットフェンスを実際に街で目にすることを楽しみにしています!