飛行機(ANA)が好きすぎる東大阪の研削屋さん

『こうばあるき』ではmonootoリサーチ隊がお邪魔したすごい・面白い工場についてご紹介しています。

今回お邪魔したのは東大阪の衣摺にある『飛行機が好きすぎる研削屋さん』です。面白い工場というか面白い人というか…皆さんにもぜひ会っていただきたい癖のある方に出会うことができた楽しい取材でした。

■この工場ではこんなことをしています■

今回お邪魔した工場では『精密円筒研磨』をされています。工場の中にあるのがこちらの機械。

「円筒研削盤」という名前だそうです。初めて聞きました。

お写真を撮ろうとすると「あ!待って!!」と走ってきた職人さん。マシンの上に飛行機の模型を設置。えっと…この飛行機は必要ですか?笑

職人さん「絶対に必要ですよ!」

そうなんですね。ここでは航空機関係の何かを作られているんですか?

「違いますけど。」

ちゃうんかい!!笑 (失礼しました。思わず。) こちらの工場の職人さん、飛行機(ANA)が好きで好きでたまらないのだとか。メインのお仕事が航空機関係というわけではありませんが、好きすぎてご自身のブログなどで飛行機愛を日々書き綴っていたところ、実際に飛行機に携わる仕事の依頼が来たことがあるそうです!すごい!!

『研削盤』とのことですが、そういえば研削って何だろう。研磨や切削は聞いたことがあるけれど研削って何が違うのでしょうか?

「工程としては切削の後。研磨というとピカピカになるイメージを持つと思いますが、研削の場合ピカピカにすれば良いだけではなくそこに寸法が求められてきます。僕の工場では棒材の波打っている表面をしっかりと平に仕上げています。」

■この工場のここがすごい!■

なるほど。この波打っている表面を…

あ、これ波打っているのですか…??

「もちろん肉眼ではわかりませんよ!旋盤やフライスでは出せない寸法を出す必要がある時が僕と研削盤の出番なんです。必ずしもそこまでの寸法を出す必要があるわけではないですが、印刷機の中など高回転部で使われる部品では5/1000mmレベルのズレがあれば軸がずれてしまいます。」

「肉眼では真っすぐに見えていても丸棒を端から何か所か測定してみた時に55.006、50.012、50.000、50.033…だった場合、僕の仕事の中では表面がでこぼこ…という状態になるわけです。これを5/1000mm以内の差に抑えなければいけません。このレベルになると旋盤、フライスでかなえるのは不可能です。」

この単位がどれくらいかというと、「サインペンのインクくらい」らしいのです。インクを”厚み”で考えたことがありません…すごい世界。更には気温によって材料の機嫌が変わるので、機械の中では寸法が出ていたのに、出して測定すると膨張してアウト!なんてことも。そんな時は自分の加工の癖などを考えながら敢えて数字上は寸法を外して調整しているそう。まさに職人技です。機械があったらできるという世界ではありません…。

■この工場にはこんな職人さんがいます■

今回お話をお聞きした職人さん。先ほどからキャラクターがちょい漏れしておりましたが、本当に面白い方でした。笑 取材の中で技術のお話をした時間は3分の1くらいだったでしょうか。「難しいこと書いてもわからへんよ!隙間産業ですって書いといて~」なんてノリのとても気さくな職人さん。細かい数字を追い神経を使うであろう仕事なので、寡黙に機械やものに向き合っているというイメージを勝手ながら持ってしまいましたが、寡黙とは正反対。「よっしゃ!寸法出したったで!!」とその達成感を味わいながら楽しく仕事をされていました。

『工場のおっちゃんは喋りたがりやねん。笑』と言いながらわかりやすい言葉で丁寧に教えてくださった職人さん。普通に生活をしていたら知ることがなかった「精密研磨」の世界。その技術に感動すると同時に、職人さんのキャラクターが強く印象に残り、思わず「飛行機が好きすぎる研削屋さん」というタイトルにしてしまいました。先日航空機検定2級に合格されたそうな…!

貴重なお時間をありがとうございました!

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